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Channel: 特殊清掃「戦う男たち」コメント公開
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思秋期(公開コメント版)

いつの間にか、もう10月。 長く思えた猛暑の夏はとっくに過ぎ去り、季節は既に秋。 空は高く澄み、樹々は落葉・紅葉がすすみ、風は涼しさを増している。 春秋は、本当に身体に優しい季節。 春暖 秋涼・・・それを感じられるだけででも気持ちが和む。 特に、4月・10月は、“暑からず 寒からず”で一年の中でもっとも過ごし易い時期ではないだろうか。 今は、その10月。...

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ゼイゼイ(公開コメント版)

近年、症状がでることは稀だが、私は喘息もち。 発症したのは20代の半ば。 この仕事を始めて一年にもならない、ちょうど今頃の時季(秋)だった。 ある日の夜、何の前ぶれもなく、急に咳がではじめた。 それは次第にひどくなり、同時に、呼吸が困難に。 徐々に気管が細くなり、肺に力を入れて意識的に呼吸しないと、満足に息ができないくらいになった。...

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素のまま(公開コメント版)

不特定多数の人と関わるのが私の仕事。 そして、一仕事が終われば、その関係は解消される。 不動産業者や建築業者等の担当者の中には、仕事柄、複数回に渡って関わりを持つこともあるけど、原則として一期一会。 大方の場合、 「二度とお目にかかるようなことはないと思いますし、お目にかかるようなことはないほうがいいですから・・・」 と、ちょっと切ない挨拶をもって関係は終了する。...

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ダメ人間参上!(公開コメント版)

秋も深まる中、このところは気持ちのいい晴天が続いている。 四季折々の景色はどれも美しいが、秋の景色もまた格別。 清んだ青空に自由な雲、紅黄に染まる街路樹、店頭に並ぶ秋の味覚、暖色に変わりつつある街の色・・・ 何より、肌寒いくらい凛とした涼気が心地いい。 しかし、この秋を迎える前の天気はちょっと異様で、8月半ばから9月半までの約一ヵ月間、雨天曇天が続いた。...

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マ田力気 ~前編~(公開コメント版)

ある日の午後、私は、街中に建つマンションに呼ばれた。 その上階にある一室で、住人が腐乱死体となって発見されたのだ。 依頼者は、マンションの管理会社で、私はそこの担当者と待ち合わせ。 私より少し遅れて現れた担当者はハイテンション。 近隣から苦情がでているわけではなかったが、苦手な何かにプレッシャーをかけられているようにピリピリしていた。 このエリアは一等地。...

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マ田力気 ~後編~(公開コメント版)

私には、忘れたい過去でありながらも、忘れてはいけない過去がある・・・ その一つが、引きこもりの経験。 これまで何度か書いてきた通り、この仕事に就く直前、私は、実家に引きこもっていた。 それは、大学卒業後、23歳のとき。 衣食住、家事雑用から生活経費まで、すべて両親が負担。 生産性のあることは何もせず、人目を気にして外出もせず、実家の一室にいるだけ。...

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ワンワン ワンワン(公開コメント版)

11月11日、胸のすくような快晴。 一並びの今日はチビ犬の命日。 一年・・・はやいような、遅いような、とにかく一年が経ち、また、寒い季節がやってきた。 ついこの前までは半袖でいられたはずなのに、もう重ね着しないと寒さを防げない。 しかも、この寒さは、これからもっと厳しくなるわけで、考えただけで憂鬱になる。 悲しみに暮れたアノ日・・・ はじめから、この悲しみは時が解決してくれることがわかっていた。...

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二人三脚(公開コメント版)

遺品処理の問い合わせが入った。 電話の向こうの声は初老の女性。 上品な言葉遣いと穏やかな語り口。 日常において、私みたいな下世話な人間と関わることはなさそうな雰囲気の人だった。 そんな女性の用件はこう・・・ しばらく前に母親が死去。 それにともなって、遺品が大量に発生。 友人や知人の手を借りながら、かなりの物は処分。 ただ、家具等の大型重量物が手に負えない。 そこで、その処分をお願いしたい。...

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男はつらいよ(公開コメント版)

「勤務先の店舗の脇に動物死骸らしきものがある」 「店の正面にまで異臭が漂っていて営業にも支障がではじめている」 「何とかできないか?」 ある日、会社にそんな電話が入った。 一口に「動物死骸」と言っても、その種類はまちまち。 犬もいれば、猫もいる。 ネズミであることもあり、珍しいところではハクビシンなんてこともある。 ただ、多いのは猫・・・圧倒的に猫が多い。...

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女もつらいよ(公開コメント版)

「ウァッ!!!!!!!」 衝撃的な光景に思わず悲鳴を上げた私。 その背中には悪寒が走り、同時に、その身体には裸のまま寒風に吹かれたかのような鳥肌が立った。 私の目に飛び込んできたのは猫の腹部。 しかも、フツーの状態ではなく、薄い腹の皮と内臓はとっくにウジが喰い尽くし、そこに無数のウジがひしめき合っている状態のもの。 その気持ち悪さといったら言葉にならないくらい。...

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顔笑心泣(公開コメント版)

2015年も、もう師走。 朝晩は、めっきり冷え込むようになってきた。 朝、布団をでるのが億劫だし、外にでても寒さで身体が縮こまってしまう。 だからと言って、ジッとしていてはいけない。 身体に怠け癖がついてしまうし、何より、私の場合は精神がやられるから。 しかし、幸いなことに、ジッとしているヒマはなく、12月は雑用やイベントが多い。 現場仕事はそう忙しくなくても、何かとやることはある。...

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ケチな男(公開コメント版)

楽しいクリスマスやめでたい正月を前にして、年末は何かと物入りである。 祝賀ムードが財布の紐が緩めてしまうのだろうか、「年末くらいは、ちょっと贅沢させてもらお」と、金を使ってしまう。 しかし、私はケチ。 いい言い方をすれば倹約家。 質素倹約が肌に合っており、とにかく、必要以上にモノや金を浪費するのが大嫌い。 例え、それが他人のモノであっても。...

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忘嫌者(公開コメント版)

今年は暖冬と言われているが、その言葉の通り、先の何日か極端に暖かな日があった。 その日は、春を通り越して初夏のような暖かさで、現場で作業をしていても季節に似合わない大汗をかいた。 そうは言っても、冬は冬。 暖かな日は長く続かず、寒さは戻ってきている。 そうやって冬か深まっていく中、今年も、だんだんと終わりに近づいてきた。 そして、今日はクリスマスイブ。...

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黙視録(公開コメント版)

2015年12月31日木曜日。 今年も今日でおしまい。 ここ数年は不定期で更新頻度も低いこのブログだけど、毎年、大晦日には必ず更新している。 人の最期を締めている者の習性か、年の最後も締めないと、何かやり残したような気がして落ち着かないのだ。 例によって、私の仕事納めは今日。 似たような毎日を繰り返すばかりだったけど、何だかんだと、今年も色々なことがあった。...

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Challenge(公開コメント版)

2016謹賀新年。 東京は晴天に恵まれ、気持ちのいい正月を過ごすことができた。 私は、大晦日は猫死骸の処理をして年を締め、元旦は事務所の電話番で年を始めた。 年越しの夜は、珍しく暴飲暴食をしてしまい、元旦の朝はなかなか辛いものがあった。 ま、それでも、今年も平和な年越しに恵まれ、若干の欝気はあるけど気分は落ち着いている。 さて、今年一年、どんな年になるのだろうか。...

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変わり者(公開コメント版)

私は、人から見て、変わり者のように思われることが少なくないだろう。 これは、仕事柄、仕方がないことと思っている。 だから、明らかに「バカにされている」と感じる場合を除いて、それを感じても不快感を覚えることはない。 ただ、就いている仕事が変わっていることと、弱虫過ぎるところを除けば、私はどこにでもいるようなオッサン。 同年代で大病を患う人も増えてきて、健康寿命が気になり始めている中年男である。...

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山場 ~筑波山編~(公開コメント版)

前ブログに書いたとおり、このところ精神状態がいまいち。 次々と襲ってくる虚無感や疲労感に翻弄されながら低空飛行を続けている。 それでもまだ“飛行”しているからマシ。 現実から逃げて着陸なんかしようものなら、二度と離陸できなくなるかもしれない。 再び飛び立つにしても、相当に難儀するはず。 力尽きての墜落なんか論外。 どうしたって避けなければならない。 私の人生が虚しいものなのではない。...

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山場 ~大山編~(公開コメント版)

先日、予定通り、大山(神奈川県伊勢原市)に行ってきた。 その日の朝は、快晴で気温2℃。 時刻は7:00過。 例によって、混雑を避けるため、早朝からスタート。 それでも、私は一番手ではなく、何人かの登山客が私より先に出発していった。 ただ、山登りは、人と競うものではなく、自分と競うもの。 私は、緊張感にも似た期待感をもって、ゆっくりと坂道を登り始めた。 とりあえずの目的地は、阿不利神社下社。...

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孤軍糞闘(公開コメント版)

しばらく更新していないうちに、暦はもう3月。 外は、日に日に春めいてきている。 寒くて暗い冬は何かとツラいことが多いので、春は大歓迎・・・ なんだけど、このところの私は、心身ともに不調が続いている。 滅多に風邪なんてひかない私なのに、先月中旬、風邪をひいてしまった。 異変に気づいたのは、2月16日(火)の夜。 腹は減っているはずなのに、思うほどモノが食べられず、妙に思った。 そして、翌日。...

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自己不満足(公開コメント版)

“死”のニュースは、毎日、世界中を駆け巡っている。 遠い世界だけのことではなく、それは、身近なところでも起こっている。 それを見れば、“死”というものは、いつ訪れてもおかしくないことがわかる。 人を死に至らしめるのは老いや病気が多いのは間違いないけど、それだけではない。 “生”というものは常に“死”と隣り合わせであり、人は、いつ死んでもおかしくない状況で生かされているのである。...

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