疲労乾杯(公開コメント版)
2012年秋、本ブログ、久々の更新。 時はすでに過ごしやすい季節になっている。 ついこの前までの酷暑がウソのように、周りはやさしい空気になっている。 こんな季節は、「紅葉狩り+温泉」なんて格別なんだろうが、夏の労働と酒で筋力も金力も衰えてしまい余力がない。 せめて、近くのスーパー銭湯にでも行って温泉旅行気分を味わおうかと思っている。 それにしても、今年の夏は例年に増してキツかった!...
View Article自憂(公開コメント版)
「どうしてくれんのよ!みんな“出ていく”って言ってるじゃない!」 「家賃収入で生活してるのに、この先、どうすればいいのよ!」 女性は、怒り心頭の様子で男性に怒鳴った。 「相続は放棄しますが、とりあえず、部屋を空にするまではこちらの責任でやります」 「申し訳ありませんが、あとのことは責任持てません」 男性は、女性の激高も意に介さず、淡々と自分の心積もりを話した。...
View Article今の俺 俺の今(公開コメント版)
季節は冬になり、世の中は師走を迎えている。 クリスマスや正月をひかえ、街は虚勢を張るかのように賑わっている。 やはり、世の中は明るい話題に乏しい。 経済の低迷、国力の低下、政治の混迷・・・それらから派生する数々に問題・・・ 冬に寒さにも引けをとらない時代の冷たい空気が、人々の不安や不満を駆り立てている。 個人的にも同様。 相変わらず、現場には率先してでているものの、気分が浮かない。...
View Article自我自賛(公開コメント版)
過ぎてみればはやいもの、2012年も今日でおしまい。 冷たく乾いた空気が、世相を反映している。 それでも、大晦日の東京は、雲が多いながらも晴天に恵まれている。 例によって、私の仕事納めは今日。 世の中には9連休の最中にある人もいるようだが、ま、他人事。 他人を羨ましく思うけど、置かれた境遇を恨めしく思うけど、まだまだ楽させてもらっている感もある。 とにもかくにも、また一年が過ぎた。...
View Article年頭の念頭(公開コメント版)
2013年 謹賀新年(既に死語?)。 今年も、つまらないことをグズグズ考えて、暗闇を暴走してやろうと開き直っている。 答をだせる頭を持っていないことは承知のうえで。 大晦日の31日は現場仕事はなかった。 一日中事務所にいて、たまっていた雑用やデスクワークを片付けた。 (デスワーカーにも少なからずのデスクワークがあるんだな。)...
View ArticleHot dog 〜前編〜(公開コメント版)
「動物の引き取りもやってますか?」 ある年の冬、不動産管理会社から問い合わせの電話が入った。 動物死骸の処理をイヤというほど(イヤイヤ)やったことがある私は、 「はい・・・やってますけど・・・」 と、少々浮かないトーンで返答。 そして、 「料金は、腐敗具合や死骸がある場所等によって異なるので、場合によっては結構な金額になることもありますけど・・・」 と気の乗らない言葉を続けた。...
View ArticleHot dog 〜中編〜(公開コメント版)
「住民が騒いでいる!至急、何とかしてほしい!」 ある年の夏、マンションの管理会社から緊急の電話が入った。 「どうしました?」 と訊ねてはみたものの、特殊清掃をイヤというほどやってきた私は、相手が口を開く前から事情を察知。 その現場に急行するため、当日の予定を変更できるかどうか考えた。 現場は、郊外に建つマンション。 その一室で、一人暮らしの住人が孤独死。 推定死後経過日数は一週間〜10日。...
View ArticleHot dog 〜後編〜(公開コメント版)
「え!?餓死じゃないんですか!?」 犬の死因は餓死と決めつけていた私は、ちょっと驚いた。 そして、 「もしかして、故人が?・・・・・最期が近いことを悟った故人が、“病弱の犬一匹を置いて逝くのは忍びない”と、犬を殺してしまったのか?」 と、普段から上等なことを考える癖をつけていない頭には、そんな考えが浮かんできた。 そして、女性が次に言葉を発するのを、固唾を呑んで待った。...
View Article終宴(公開コメント版)
楽しいことばかりじゃない、嬉しいことばかりじゃない、ありがたいことばかりじゃない毎日。 ひどく苦しむこともあれば、ひどく悩むこともある。 もちろん、たいした苦悩もなく平穏な日もある。 そんな日々の楽しみは、やはり晩酌。 質素な肴と安酒ながら、結構、楽しいものである。 ただ、問題もある。 それは量。 百薬の長といわれる酒も、飲みすぎれば毒になる。 それがわかっていてもやめられない。...
View Article心花(公開コメント版)
春真っ盛り。 日によっては汗ばむような陽気に恵まれている。 肉体労働者の私は、あちこちの現場で充分に汗をかいている。 おかげで、普段のオヤジ臭に汗臭が加わり、更に、例の悪臭が重なったりすることもあって何ともいえないニオイを醸している。 先月からはじめた週休肝二日も、なんとか継続中。 なんと、週休肝四日を実現できた週もあった。 しかし、本番はこれから。...
View Article楽じゃない(公開コメント版)
秋も深まり、少しずつ時間に余裕ができてきている今日この頃。 夏季に比べ、身体は随分と楽になっている。 ただ、冬に向かって精神は降下姿勢に入ってきているような気がする。 身体的にキツい季節は過ぎたけど、精神的に楽じゃない季節が近づきつつあるのだ。 半年ぶりのブログ更新。 「もう、このままやめてしまおうか」と思ったりもしたが、この仕事自体が辞められるわけじゃなし。...
View Article夏の思い出(公開コメント版)
今年の夏も暑かった! 今年の夏は暑かった! 毎年のこととはいえ、この暑さには多くの人が苦しめられたことだろう。 この私もその一人で、これまでは、基本的に車のエアコンは使わない主義できたのだが、さすがに今年の暑さは身体に堪え、時々、エアコンをつけてしのいだ。 また、間接的だけど、「ブログを半年放置する一因にもなった」と言えるかもしれない。 前にも書いたとおり、私は、単独行動が多い。...
View Article奇なり(公開コメント版)
今日から11月。 秋涼というより秋寒の季節。 台風の連打に国土は疲れ気味。 忘れられつつある大地震だって、いつまた起こるかわからない。 奇妙な自然現象は、人間の無力さを露にする。 世の中に奇なることが起こるのは常。 珍事や奇跡めいた出来事は、いつの世にも絶えない。 奇なる仕事をしている私の目の前は、奇なることばかり。 一般の目には、衝撃的なものだろう。 「大変な仕事ですね」...
View Article紅(公開コメント版)
秋も深まり、もう紅の季節。 私は、秋が好きである。 過酷な夏が過ぎ、一息つける季節だから。 ホント、身体に優しい季節だから。 また、ネクラな性格を反映してか、一日のうちでは夕方が好きである。 紅の夕陽をみると、ホッとするものがある。 だから、秋の夕暮れは格別の趣を感じる。 春夏秋冬、自分の死季も秋がいいと思っている。...
View Article悲愛(公開コメント版)
ある日の夕刻、特掃の依頼が入った。 「住人が亡くなって時間が経ってしまった」 「作業を依頼するかどうかわからないけど、とりあえずみてほしい」 とのこと。 現場を見ないと何も始まらないので、事務所にいた私は、デスクワークを中断してデスワークに向かった。 訪問したのは、商業地に建つマンション。 依頼者の男性とは、入口エントランスで待ち合わせた。 男性は、仕事の帰りか、スーツ姿。...
View Article短気は損気(公開コメント版)
「引越しをするのでゴミを片付けてほしい」 そんな依頼が入った。 「うちに頼んでくるわけだから、何か事情があるんだろうな・・・」 私はそう思いながら現地調査の日時を設定した。 訪問した現場は小さな一戸建。 家屋の周囲にはゴミやガラクタが散乱しており、家の中が“案の定”であることをうかがわせた。 私は、家の前の路上に車とめ、約束の時間がくるまで待機。...
View Article裏切者(公開コメント版)
「掃除をお願いしたい」 そんな依頼が入った。 依頼者は、ハウスクリーニングの個人事業者(男性)。 おおきく括れば同業者である人からの依頼で、例によっての事情があることは、話を聞く前から察しがついた。 男性は、取引先からマンションのルームクリーニングを請け負った。 そこは孤独死の現場。浴室腐乱。...
View Article兄妹(公開コメント版)
故人は70代の男性。 地方の小さな街の出身。 若い頃は“いい人”がいたこともあったのだろうが結婚歴はなく、子供もおらず。 都会の小さなアパートでながく一人暮らしを続けていた。 家族は、両親と年の離れた妹が一人。 ただ、母とは血がつながっておらず。 実母は故人が幼少の頃に他界。 母は、父の再婚相手だった。 そして妹とも“腹違い”の兄妹だった。 両親は、小さな妹を可愛がった。...
View Articleワインと風呂と携帯電話(公開コメント版)
毎年思うことだけど、一年なんて過ぎてみるとはやいもの。 昨日から、もう12月。 師走に入り、外の寒さは増すばかり。 しかし、年末の商戦は加熱し、街は賑いを増している。 多くの子供達は懐があたたかくなり、逆に、私のようにボーナスがない大人達の懐は寒くなる季節である。 こんな季節は風呂がいい。 懐は温まらないけど、身体は芯まで温まる。 私は、そんな風呂が好き。...
View ArticleLong way(公開コメント版)
今年も、残すところ23日余。 昨年までと同様、今年も色んなことがあった。 8月の末には、ひとつの“お別れ”があった。 「愛車」といっても過言ではない業務車両の5年のリース契約が満了となったのだ。 完全なる私の専用車ではなかったけど、先頭をきって現場に走る習性がある私が9割くらいは使ったと思う。 5年間の走行距離は、20万キロ余。...
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